憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
すぐに宇佐神課長がコンビニで買ったお酒とグラスを二つ掴んできて、テーブルの角を挟んで私の隣に座った。

「ありがとうございます」

差し出されたグラスを受け取る。
しかし、お酒は渡してくれない。

「ん」

カシュッといい音を立てて私の買った缶酎ハイを開け、彼が差し出してくる。

「……じゃあ」

それをありがたく、グラスで受けた。
私も彼に注ぐべきだと思うが、私とは反対側に置かれているので、強引に手を伸ばさないと届かない。
どうしようか考えているうちに課長は、手酌で自分のグラスにビールを注いだ。

「あ……」

「ん?
どうかしたのか?」

不思議そうに彼が首を傾げる。

「あの、お酌……」

昨今はそういうのは時代遅れだとはいえ、仮にも相手は上司でしかも食事を作ってもらったのに、これはマズいんじゃないだろうか。

「別にかまわないけど。
自分でできるし」

にぱっと課長が笑い、まだお酒をひとくちも飲んでいないのにぽっと頬が熱くなった。
プライベートの宇佐神課長はこうやって無防備の顔を見せてくるので、たちが悪い。

「じゃ、お疲れ」

「……お疲れ様です」

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