憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
携帯に候補の宿を表示させて彼に見せる。
COCOKAさんと由姫ちゃんに龍志に迫って押し倒せ、でも雰囲気も大事と、その場で旅館の予約をさせられそうになったが、さすがにそれは拒否した。
渋々ながら候補を決めるまででとどまれて本当によかったよ。

「ふーん」

私から携帯を受け取り、彼はスクロールして宿の様子を確認している。
隠れ家的お宿で全室離れの露天付き。
これ以上のところはないと彼女たちは太鼓判を押していたが、大丈夫だろうか。

「いいけど。
でも、なんでここ?」

あまり興味がない感じで言い、龍志が携帯を返してくれる。

「あっ、えっと。
COCOKAさんが前に泊まって、凄くよかったってオススメしてくれて」

嘘をついているので目が泳いだ。
本当はしっぽり過ごすのにとても感じがいい宿だからという理由だ。

「ふーん。
まあ、俺も七星と旅行に行きたいからいいけどな」

にやりと僅かに、龍志の右の口端が持ち上がる。
私の、というか私たちの思惑は彼にはお見通しな気がして、不安になってきた……。
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