憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
第十三章 憧れの上司は御曹司でした
旅行は一ヶ月後の土日に決まった。
宿の予約は私がしようとしたものの。

『いいよ、俺がやるよ』

……と、龍志がしてくれた。
しかも、半分は出すと言っても聞いてくれない。
金はあるから大丈夫と言われても、やはり心配になる。
でもたぶん、これも言えない事情とやらが関わっている気がして、深く聞けないでいた。


旅行が決まってすぐの週末、私はCOCOKAさんと由姫ちゃんと一緒に買い物に来ていた。
ちなみに龍志は快く送り出してくれるどころか、わざわざ待ち合わせ場所にまで送ってくれた。

『今日も七星さんをお借りします!』

……などと龍志に頭を下げるCOCOKAさんと由姫ちゃんに、遠い目になったのはいうまでもない。

今日の買い物の目的はもちろん、旅行用品の購入だ。

「井ノ上先輩って最近、雰囲気変わりましたよね」

「そうそう。
前の、隙のないデキる女!って感じもよかったけど、今の優しいお姉さんって感じも捨てがたい……」

私が旅行に着ていく服を選びながらふたりに言われ、照れくさくなってくる。
ちなみに今日も龍志がメイクとヘアセットをし、服を選んでくれた。
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