憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「いい、いいですね」

「決めちゃう?
これで決めちゃう?」

「でもまだ、一軒目だし」

悩んでいるふたりを苦笑いで見つめる。
結局、ここでは決めず他にも見てみようとなった。
……のはいいが。

「ねえ。
まだ見るの?」

「えっ、だってまだ、決まってないですし」

「そうそう」

鼻息の荒いふたりの手には、ナース服とセーラー服が握られている。
途中からどうも、私にいろいろ服を着せて遊ぶほうへシフトチェンジしている気がしてならない。

「さすがにコスプレで外は歩けないけど?」

さりげなく、ふたりを注意してみる。

「わかってますよ!
これは宇佐神課長に迫るとき用です」

「ああ、そう……」

まったく聞いてくれそうになくて、遠い目になった。

最終的に一軒目で見た服と、もう一組を別のお店で買い、なぜかナース服も追加され、遅い昼食となる。

「すみません、なんか楽しくなっちゃって……」

美味しそうな料理を前にして、ふたりは申し訳なさそうに項垂れている。

「いいよ、いい服買えたし」

きっとひとりだったら悩むだけ悩んで買えなかった可能性がある。
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