憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
第十四章 憧れの上司は苦労性でした
……ルナさんの問題は龍志は解決したと言っていた、が。
「井ノ上くん。
ちょっと」
仕事中、唐突に小山田部長から声をかけられる。
「はい」
椅子から立ち上がりながらつい、龍志を見ていた。
目のあった彼が、うんとひとつ頷く。
それがなんとなく、心強かった。
連れていかれたのは専務室だった。
もちろん、中では専務――とルナさんが待っている。
勧められて彼らと向かいあって応接セットのソファーに座った。
今から始まる糾弾を想像し、血の気が引いていく。
そんな私を見て、ルナさんは愉しそうににやにやとイヤラしい笑みを浮かべていた。
「どうして呼ばれたのか、わかるか」
私を見る、専務の目は責めている。
「……はい」
そんなの、ひとつしかない。
私と龍志との関係を責めるためだ。
「ルナさんから自分の婚約者である宇佐神くんを君が誘惑して付き合っている、そんな人間のいる会社とは仕事はできないと申し出があった」
それで間違いはないとルナさんが頷く。
「男女の問題に口出しするのは無粋だとわかっている。
しかしこれは会社の問題でもあるし、なによりまだ結婚前とはいえ不貞行為には違いない。
どういうことか説明してもらおうか」
「井ノ上くん。
ちょっと」
仕事中、唐突に小山田部長から声をかけられる。
「はい」
椅子から立ち上がりながらつい、龍志を見ていた。
目のあった彼が、うんとひとつ頷く。
それがなんとなく、心強かった。
連れていかれたのは専務室だった。
もちろん、中では専務――とルナさんが待っている。
勧められて彼らと向かいあって応接セットのソファーに座った。
今から始まる糾弾を想像し、血の気が引いていく。
そんな私を見て、ルナさんは愉しそうににやにやとイヤラしい笑みを浮かべていた。
「どうして呼ばれたのか、わかるか」
私を見る、専務の目は責めている。
「……はい」
そんなの、ひとつしかない。
私と龍志との関係を責めるためだ。
「ルナさんから自分の婚約者である宇佐神くんを君が誘惑して付き合っている、そんな人間のいる会社とは仕事はできないと申し出があった」
それで間違いはないとルナさんが頷く。
「男女の問題に口出しするのは無粋だとわかっている。
しかしこれは会社の問題でもあるし、なによりまだ結婚前とはいえ不貞行為には違いない。
どういうことか説明してもらおうか」