憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
永遠の愛を誓っても私は彼と一緒にいられない。
いられないのだ。

涙がおさまり、龍志はメイクを直してくれた。

「ごめんなさい、泣いたりして」

それでもまだ、出てきそうな涙を、鼻を啜って誤魔化す。

「いや、いい。
俺も泣きそうだったし」

慰めるように彼が、ちゅっと軽く唇を重ねてくる。
それで幾分、気持ちは落ち着いた。

時間いっぱい写真を撮ってもらい、着替えなどを済ませて今夜のお宿へと向かう。

「いい宿だな」

「そうですね」

全室離れだが、あいだにいい塩梅に樹木を配置してあり、お隣がわからないようになっていた。
部屋もリビングと寝室が別になっている。
こういうところでは珍しく、部屋食なのらしい。

「風呂もいい感じだな」

先に浴室へ行った龍志の肩越しに風呂場をのぞく。
半露天のそこは開放的で、すぐ目前に山が迫って見えた。
最高の眺めだ。

荷物を簡単に解き、備え付けのお茶を飲みながらまったりする。

「あー、七星の花嫁姿、最高だったな……」

思い出しているのか、龍志の目がうっとりとなる。

「そういえばこれ。
どうしたんですか?」

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