憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
そうか、宇佐神課長は気づいてくれたんだ。
それだけで嬉しくて、胸の中が温かいもので満たされていく。

「よく相談してくれたな」

ぽんぽんと軽く、慰めるように彼が私の膝を叩く。
それで気持ちが決壊した。

「どうしていいかわからなくて、兄に相談して引っ越ししたんですが、ここまで突き止められるとか思ってなくて。
またあの日々が始まるのかと思ったら、怖くて……」

ぽろぽろと涙を零しながら話す私の声を、課長は黙って聞いてくれている。

「大丈夫だ、俺がなんとかしてやる」

ぎゅっと彼が私の手を握ってくれる。
それが酷く心強かった。

「ところで警察には相談したのか?」

渡されたティッシュでぐちゃぐちゃになった顔を拭い、黙って首を振った。

「こんなことで休みをくださいとは言えなくて……」

考えなかったわけではないし、兄も勧めてくれた。
しかし受付時間を調べたら平日と書いてあって、仕事を休むのに躊躇してしまった。

「そういうときは遠慮なく言え。
事情を話しづらいなら、役所に手続きに行きたいとか適当な理由でもかまわない。
それで七星に……部下になにかあったらつらい」

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