憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
その目は真剣そのものだった。

「そんなの……」

そこまで言って、止まる。
今、彼は「俺の子を産んでくれとか言えない」と言った?
じゃあ……。

「……龍志は私との子供が欲しいんですか」

おそるおそる尋ねた私の声は、細かく震えていた。

「愛する女との子供なんて、欲しいに決まってるだろ」

きっぱりと彼が言い切る。

「でも、俺は生まれた子に責任が持てない。
それに前にも言ったように、子供を、七星を、家の争いに巻き込む。
だから子供は諦めてくれ」

龍志が私に向かって怖いくらい真剣に頭を下げる。
そこまで私を、まだそんな行為すらしていない子供を心配してくれるのが嬉しかった。
それでも。

「龍志の気持ちは嬉しい、けど。
こんな指環じゃなくて、龍志から愛されていたんだって証しが欲しいんです。
養育費が欲しいとか、認知してほしいとか言わない。
だから……!」

龍志は黙ったままなにも言わない。
こんなの、私のただのわがままだってわかっていた。
龍志とひとつになりたい以上に、彼との子供がただ欲しかった。

「なんでそんなわがまま言うんだよ」

「……え?」

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