憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「……トマトソースで煮込んで、チーズのせて焼いてくれる?」

「もちろんだ!」

私がようやく布団から顔を出したから、彼は縋るように必死になっていた。

「……じゃあ、許す」

その言葉を聞いた途端、彼の顔がぱーっと輝く。

「デザートに七星の好きな店のケーキもつけてやるからな」

あっという間に彼が上機嫌になり、笑っていた。
それにこれくらいで許すなんて私も、たいがい甘い。

お風呂は一緒に入るかと言われたが、丁重にお断りした。
いろいろおいたして、またその気になられても困る。

「うわ……」

浴室の鏡に映る私の身体には、無数の赤い花びらが散っていた。
それを見ると、とうとう龍志と結ばれたのだと再認識して身体が熱くなってくる。

「うー」

お湯に浸かりながら知らず知らず顔が緩む。
これで赤ちゃんができてくれれば嬉しいけれど、予定的にないのはわかっていた。
それにたった一回でできれば苦労はない。

「龍志とお別れする日までに来てくれますように……」

無意識に手が、下腹部を撫でていた。

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