憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
私と別れて実家に帰ったあと、龍志はきっと厳しい人生を歩むのだろう。
だったら、少しでも彼が穏やかに過ごせるように、祈りたい。

「なにお願いしたんだ?」

お守り授与所に向かいながら、龍志が聞いてくる。

「内緒です。
龍志は?」

「んー、俺も内緒だ」

おかしくもないのに彼が、ふふっと小さく笑う。
なんとなく、彼も私と同じく、私の幸せを祈っていそうだと思った。

お守りをいただいたあとは、予定どおり街に出た。

「凄い人ですね……」

先ほどの神社の静謐な空気とは一転、狭い通りには人がわらわらと歩いている。
歩行者天国ではないので車も通るのだが、おかげで走りにくそうにのろのろ運転していた。

「まあ、人気観光地だしな」

私たちも手を繋ぎ、道の両端に並ぶお店を見て回る。

「会社にお土産ですよね」

「ああ。
数入ってるヤツがいいよな」

龍志は定番の、【○○に行ってきました】っておまんじゅうを見ているが、それはあんまりじゃないだろうか……。

ガラス細工のお店で記念にうさぎの置物を買ったり、酒屋で地酒を買ったりしながらぶらぶらする。
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