憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
それにはさすがに素になって彼の顔を見ていた。

「冗談、ですよね?」

「いや、本気だが?」

しかし彼もすぐに真顔で言ってきた。
その顔には少しもふざけた様子がない。

「他人がなんと言おうと、俺にとって七星は絶世の美女だ」

そこまで言われてようやく気づいた。
龍志フィルターがかかって、彼にとって私は絶世の美女なのだ。
それでがっかりしたのかといえば……堪らなく嬉しい。

「私から見たら龍志だって、世界一のイケメンですよ」

しかし緩む顔を知られたくなくて、歩き出す。

「じゃあやっぱり、俺たちは美男美女じゃないか」

すぐに追いついた彼が再び繋いだ手が、楽しそうに揺れる。
それが最高に幸せだった。

会社へのお土産は無難なクッキーに落ち着き、昼食を済ませたあともう少しぶらぶらして家路に就く。

「結婚式、写真ができあがるのが楽しみですね」

「そうだな」

写真はだいたい一ヶ月後、データで送ってくれると言っていた。
どんな出来になっているのか楽しみだ。

「帰ったら、子作りに励まないとな」

龍志が片頬を歪め、にやっと笑う。

「……ソウ、デスネ」

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