憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
昨日は自分から、しかもあんなにセクシーな下着で迫っておきながら、声はカタコトになり、小さくなって消えていく。

「早くできるといいな、子供。
そしたら出産に立ち会えるし、少しのあいだだが一緒に暮らせる」

龍志は少し、淋しそうな顔をした。
そうか、今すぐ子供ができればギリギリそうなるのか。
彼の望みを叶えたくて、少しでも早く妊娠するように帰ったら妊活を始めようと決めた。

旅行の楽しい思い出と幾ばくかの淋しさを抱きつつ、マンションに帰り着く。

「荷物整理してお風呂入ったら、そっち行きますね」

「ああ、待ってる」

互いの部屋に入ろうとしたところで、龍志の携帯が鳴った。
画面を見て嫌そうに彼が顔を顰める。
着信音を鳴らしたまま、彼は部屋に入った。

「誰からだったんだろ?」

自分の部屋に入り、荷解をしながら胸騒ぎがする。
あとで誰からか聞いてもいいだろうか。
悩んでいたらドアがノックされた。

「俺だけど」

「はーい」

ドアを開けると龍志が立っていた。
なぜか酷く硬い顔をしている。
さらにその手にはガバメントバッグが握られていた。

「兄貴が死んだ」

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