憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「いや、いい。
食事に誘ったのは俺だしな」

にぱっと課長が笑う。

「片付け……」

「それより、こっちなー」

「えっ、あっ」

私を立たせ、課長が肩をぐいぐい押していく。
連れていかれた隣の部屋は、うちと同じく寝室だった。
ただし、角部屋だからか少し広い。
うちはシングルベッドがギリギリだが、課長の部屋はセミダブルのようだった。
まあ、課長は大きいし、ゆっくり寝たければこのサイズになるだろう。

「よっ」

「あっ」

課長がぽんと私の肩を押し、あっけなくベッドの上に倒れた。

「な、なにするんですか!?」

慌てて起き上がろうとしたが、課長がのしかかってくる。

「なにって、ベッドで男女がすることなんて決まってるだろ?」

するりと課長の手が、私の頬を撫でる。
眼鏡の奥からは艶を含んだ瞳が私を見ていた。
お風呂を済ませてこいとはそういう理由だったんだろうか。
少しずつ近づいてくる彼の顔が怖くて、ぎゅっと力一杯目を閉じた……が。

「……へ?」

唐突に鼻を摘ままれ、変な声が出た。

「なんて顔、してるんだ」

身体を離した宇佐神課長は、おかしそうに笑っている。

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