憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
あちこちで似たようなやりとりをしたあと、高級低層レジデンスに連れてこられた。

「ここは……?」

「ああ。
買ったんだ」

「買った!?」

なんだか頭痛がしてきたが、きっと気のせいではない。
龍志は迷うことなく進んでいき、中層階の一室のドアを開けた。

「本当は旅行から帰ってきた翌週末に、新居だって驚かせるはずだったんだけどな」

はぁっと憂鬱そうに彼はため息をついたが、そういう問題ではない。
いろいろあって別れがこんなに急になってしまったが、それでもその前だって一緒に過ごせる期間はあと一年ちょっとだった。
なのに、マンションを買うとは。

部屋の中にはすでに、家具をそろえてあった。

「どうだ、気に入ったか?」

龍志がドヤ顔で私を見る。
気に入ったかってそりゃ、……気に入りましたが?
いつリサーチしたのか、置いてある家具は私の好みバッチリだった。

「というか、なんでこんな無駄なことするんですか!?」

「……無駄?」

みるみる彼の機嫌が悪くなっていく。
失敗したと気づいたが、もう遅い。
気づいたときには壁に追いやられ、壁ドン姿勢で高圧的に見下ろされていた。

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