憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
だから七星は今の仕事を続けてくれ」

「龍志……」

そうか、私が携わった広告物はあちこちに露出する。
普通に生活しているだけで目に留まるだろうし、龍志が後を継ぐであろう会社の、テレビ局にだって出稿している。
私が仕事を頑張れば、それだけで龍志に伝わる。

「今まで以上に仕事、頑張ります」

「うん。
でも、無理はするなよ」

「はい」

今までだって好きでやっていた仕事だが、これからはこれまで以上に力を入れて上を目指そうと思った。

部屋の中を龍志が案内してくれる。
広いリビングダイニングの他に部屋が四つもあった。

「えっと、龍志?
ふたり暮らしでも広くないですか?」

こんな広い部屋、いったいいくらしたのだろうと考えると頭がくらくらしてくる。

「あー……」

長く発したまま彼は、どこか遠くを見た。

「なんか結婚して子供はふたりとか妄想が捗って、気づいたらここを買ってたんだよなー」

少しして視線を私に戻した彼が情けなく笑う。
いや、「気づいたらここを買っていた」
って、そんな、コンビニでスイーツを買った感覚で言われても困る。
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