憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「いいのか?
本当に?
遠慮しなくていいんだぞ?」

困惑気味に彼は聞いてくるが、これは遠慮とかそれ以前の問題なのだ。

「はい、大丈夫です」

「七星がいいならいいが……」

龍志は若干、残念そうだが気づかないフリをした。
それにしても、御曹司としての龍志がこんなに、私と金銭感覚が違うとは思わなかった。
いつもスーパーで買い物をするときなど、半額になっていた、ラッキーなどと喜んでいるのに。
いや、よくよく思い起こせば日々の買い物は節約するのに、デートや旅行などここぞというときは遠慮なくお金を使っていた。
それはもしや、正しいお金の使い方なのでは。

「引っ越し業者は先払いして仮押さえしてあるから、七星の都合のいい日に決めてくれ。
俺は立ち会えないが」

「はい」

ベッドに並んで寝転び、これからの予定を相談する。

「悪いが俺の部屋の引き払いも頼む。
清掃業者も七星の部屋の分もあわせて仮押さえしてある」

「わかりました」

「俺の部屋にあるものは全部、処分していい。
もちろん、七星が欲しいものがあったら好きに持っていってくれ」

「あのメイク道具も全部、処分するんですか」

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