憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
それは信じられなくて起き上がっていた。
女性を綺麗にするのが好きだから今の会社に入り、自己研鑽してメイクの技術を磨いたといっていた。
龍志がそのために、かなり努力していたのも知っている。
あのメイク道具はきっと、彼にとって命よりも大事なもののはずだ。
「……そう、だな」
ぽつりと淋しそうに彼がこぼす。
「もう、女性にメイクする機会なんてないだろうし。
それに実家へ持っていったらお袋に捨てられる」
すっかり諦めたように話す彼はいつもの龍志らしくなくて、私の胸がズキズキと痛む。
「お母さんに捨てられるって、龍志はもういい大人なんですよ。
そんなの、阻止すればいいじゃないですか」
「そう、だな。
そうできたらいいんだけどな。
あの人は俺のプライベートな空間にまでずけずけと入ってきて、いない隙に勝手に処分したりするんだ」
ははっと小さく乾いた笑いを彼が落とし、今まで何度もそういうことがあったのだなと悟らせた。
「お袋に捨てられるくらいなら、自分で捨てたほうがいい」
それが彼なりの諦めなのだと気づき、悲しくなる。
「だったら、私がもらってもいいですか」
「え?」
女性を綺麗にするのが好きだから今の会社に入り、自己研鑽してメイクの技術を磨いたといっていた。
龍志がそのために、かなり努力していたのも知っている。
あのメイク道具はきっと、彼にとって命よりも大事なもののはずだ。
「……そう、だな」
ぽつりと淋しそうに彼がこぼす。
「もう、女性にメイクする機会なんてないだろうし。
それに実家へ持っていったらお袋に捨てられる」
すっかり諦めたように話す彼はいつもの龍志らしくなくて、私の胸がズキズキと痛む。
「お母さんに捨てられるって、龍志はもういい大人なんですよ。
そんなの、阻止すればいいじゃないですか」
「そう、だな。
そうできたらいいんだけどな。
あの人は俺のプライベートな空間にまでずけずけと入ってきて、いない隙に勝手に処分したりするんだ」
ははっと小さく乾いた笑いを彼が落とし、今まで何度もそういうことがあったのだなと悟らせた。
「お袋に捨てられるくらいなら、自分で捨てたほうがいい」
それが彼なりの諦めなのだと気づき、悲しくなる。
「だったら、私がもらってもいいですか」
「え?」