憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「そんなことを言うなら、入ってあげませんよ」

揶揄うように言われ、ふて腐れた振りをしてそっぽを向く。

「あ、嘘!
嘘だから!」

しかしすぐに龍志が取りすがってきて笑っていた。

そのあとはもちろん――。

「……七星」

「……龍志」

熱を帯びた目で彼が私を見ている。
どちらからともなく唇が重なった。
そのまま、互いを貪りあう。

「もう一生、誰も抱かない」

「私も、誰とも寝ません……」

ひたすらに体力の限界を迎えるまで、求めあった。


「ん……」

目が覚めたら隣で、龍志が気持ちよさそうに眠っていた。

「龍志。
私はね」

聞こえないとわかっていながら、その少し硬い髪を撫でながら話しかける。

「私を壊したくないって龍志の気持ち、凄く嬉しかったんです」

壊したくないから実家に連れて戻れない。
そうやって私を気遣ってくれたのは、それだけ私を大事に思ってくれているのだととても嬉しかった。

「でもね。
私には一緒に戦わせてくれないんだなって淋しいです」

ちょこちょこ話される実家の話から、大変そうだなとは思っていた。
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