憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「子供。
できるまでお願いします」

龍志の顔を両手で掴み、じっと見つめる。

「わかった」

苦笑いしたかと思ったら、噛みつくみたいに唇が重なる。
前の月のものから推測して、たぶん今ちょうどいい時期じゃないのではないかと思う。
そういうアプリを使って管理しておけばよかったと少し、後悔した。
本当は旅行から帰ったあとから、そうするつもりだったのだ。
でも、お兄さんが亡くなって予定が全部、狂ってしまった。
死んだ人を恨むべきではないと思う。
けれど私たちの予定を狂わせ、さらに龍志を苦しめているお兄さんが恨めしい。

疲れては少し休み、お腹が空いたら買ってあったパンなどを摘まみ、月曜の朝までひたすらふたり、繋がっていた。



けだるい身体で起きる。
この、けだるさすら愛おしくて泣きそうになった。

ふたりでシャワーを浴びながら、これが最後とばかりにまた繋がる。
私が髪を乾かしたりしているあいだに龍志が、朝食を作ってくれた。

「いただきます」

ふたりで向かいあって箸を撮る。
私の前にはおにぎりと具だくさんのお味噌汁。
龍志の前にはそれに、作り置きした切り干し大根と厚揚げが並んでいた。
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