憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
うんうんと笹西弁護士は頷いている。
私をストーカーから守るためだったのは理解しているが、愛が重すぎる。
そこまでの価値が私にあるのか聞きたいところだが、もう聞けない。
いや、龍志を奪還して本人の口から話してもらうのだ。

「龍志は今から、どうなるんでしょうか」

それが一番の心配だった。
聞く限り、両親はまともな人ではない。

「僕も詳しくは聞いてないけど。
きっと父親の敷いたレールを走らされ、母親にああだこうだと口を出されるんだろうね。
まあ、アイツのことだから黙って従ったりはしないだろうけど」

呆れるように彼が、小さく肩を竦めてみせる。

「笹西さんはこれからも龍志の顧問弁護士を?」

だったらこれからも彼が龍志の味方になってくれる、それに様子も少しは知られるかもしれないと思ったものの。

「いや。
あの家に帰ったことによって僕との縁は強制的に切られた。
僕にはもう、なんの手も出せないよ」

お手上げだと本当に、笹西さんは手を上げてみせた。

「そんな……」

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