憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「なんで私も一緒に行かなきゃいけないんでしょうか?」

荷物持ち……とかいうのなら、嫌だけれど理解する。
けれど、彼の口から出たのは予想もしない答えだった。

「これからは俺が食事を作ってやる。
接待とか入った日はあれだが、そうじゃない日はうちでメシを食え」

「……ハイ?」

理解が追いつかず、首が斜めに傾く。
どうして私が、課長にごはんを食べさせてもらわないといけないのだろう?

「毎日弁当はいろいろ心配だ。
いや、弁当を食ってるならまだいいが、七星は面倒臭くなってゼリー飲料とかで済ませてそうだし」

「うっ」

見ている、私の生活を見ているのか!?
例のストーカーもだが、宇佐神課長も要注意人物では?
いや、朝のゴミ出しで私のゴミを見ているんだし、ゼリー飲料の空容器がそこそこ入っているとなればわかるか……。

「でも、一緒に行く必要はないのでは……?」

「昨日、魚のにおいがダメなのはわかったが、他にも苦手なものがあるかもしれないだろ?
一緒に行けばわかる」

これで解決だと彼は頷いているけれど。

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