憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
電車に乗る前なら今からというのもあったが、もう乗ってしまった。
笹西さんの勤めている弁護士事務所は逆方向になる。
しかし、早く話を聞きたいというのもある。
少し悩んで、返信を打った。

【兄の都合を確認してからでもかまわないでしょうか】

【もちろんだとも。
あれなら、平日の夜でもかまわないよ】

すぐに笹西さんから返事が来る。
本当にいい人だ。
今度は兄へ、メッセージを打つ。

【笹西さんから進展があったって連絡来たけど、お兄ちゃんの都合はどう?】

運転中なのか返事はない。
どうせマンションに来るのだし、相談はそれからでもいい。

最寄り駅で降り、改札を抜けたところでなぜか兄が待っていた。

「迎えに来た」

「もう。
好き」

甘えるように兄へ肩をぶつける。

「オマエ、アイツ以外にそんなことを言っていいのか」

促され、駐車場へ向かって歩き出す。

「んー、お兄ちゃんは特別」

「オマエなー」

いたずらっぽく顔を見つめると兄の肩ががっくりと落ち、笑っていた。

「笹西さんのところに行くの、オレは別に今日でも明日でもいいぞ」

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