憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
龍志は優秀なのだと誇らしくなるのと同時に、そんなに会社で頼られていては簡単に辞められなくなるのではという不安がある。

「でも、笹西さんはなんでそんなに、詳しいんですか」

このあいだは『縁が切れてからお手上げ』だと言っていた。

「蛇の道は蛇っていうか。
こう言ってはなんだけど、交友関係は広いんだよね」

いたずらっぽく彼が片目をつぶってみせ、笑っていた。

「で。
これは提案なんだけど。
七星さんの妊娠を理由に、龍志との面会を申し込もうと思う。
さっきも言ったけど、責任を取れってね」

思ったよりも早く龍志に会えそうなのは嬉しい。
しかし、不安もあった。

「……龍志の子供じゃないって拒否されたら」

龍志はそんなこと、しないとわかっている。
しかし私がイメージする彼の両親ならば、龍志の話など一切耳を貸さず、一方的に否定してくる可能性が高い。

「そのときは遺伝子検査をして、結果を叩きつける。
妊娠六週目からできるから、さほど待たなくていい」

これとその検査機関のサイトを表示したタブレットを笹西さんが見せてくる。
血液採取だけで子供の負担もなさそうで、安心した。

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