憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「改めて聞くけど。
七星さんは龍志を奪い返してどうする気?
龍志があの家からいなくなればきっと、お兄さんの子供とその母親は引き離され、子供は龍志と同じ運命をたどらされる。
それでいいの?」

じっと覚悟を問うように笹西さんが私の目を見つめる。
私だって龍志を奪い返してそれで終わりではないのはわかっていた。

「それこそ、そこは笹西さんの得意分野ですよね?
法律の知識を駆使して、お兄さんの家族を幸せにしてください」

これが正解だと自信満々に笑ってみせる。

「龍志の金で?」

小馬鹿にするように笹西さんは笑ったが、想定済みだ。

「私の貯金で、です。
依頼料、それで足りないのなら借金します」

「借金って言ってもさ。
君には龍志からもらった金があるんだから、すぐに返せるよね?」

「龍志にもらったお金は、レジデンスの維持費と子供のため以外で使うつもりはありません」

きっぱりと言い切る。
最初からそう、決めていた。
龍志と一緒に暮らすための、あの高級レジデンスの維持費と、養育費以外は使わない。
本当は全部、自分の稼ぎでまかないたいところだが、無理がある。
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