憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
龍志の子を妊娠したと知られたら、大騒ぎになりそうな気がする。
――しかし。

「うっ。
……ごめん」

吐き気がこみ上げてきて、慌てて席を立つ。
化粧品会社ならば商品を前にして話すことも多い。
そのにおいに過剰反応してしまうようになっていた。

「大丈夫ですか……?」

少しして由姫ちゃんが心配そうに私の様子を見に来た。

「ごめん、話の途中だったのに」

笑って誤魔化したものの、彼女の表情は晴れない。

「もしかして井ノ上先輩、妊娠してるんですか」

ぴくりと指が反応する。

「あ、あの、……ね」

「COCOKAさんがこのあいだ先輩、体調悪そうだったって言ってたんですよね。
今、妊娠中のお姉さんもわかった頃、同じような症状だったからもしかしてって」

否定しようと口を開いた私を無視して彼女は続けた。

「化粧品のにおいがダメってそれ、つわりじゃないんですか」

「え、えーっと……」

ずいっと由姫ちゃんが迫ってくる。
それを手で押さえつつ、視線を逸らしてだらだらと汗を掻いた。

「ねえ、先輩。
宇佐神課長のお子さん、身籠もってるんじゃないんですか」

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