憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
龍志を取り返すなど諦め、そのほうがいいのだろうかと傾きかけたが。

「……なるべく早く、帰ってくるよ」

「え?」

ぽつりと呟いた私を、兄と笹西さんが怪訝そうに見る。

「別れたあの日、部屋を出ていくときに龍志は、確かにそう言ったんです」

龍志は嘘をついたりしない。
きっと、今でも私のところに帰ってこようといろいろ画策しているはずだ。
だったら私が、迎えにいかなければ。

「龍志を、迎えにいきます。
だから始めてください」

「わかった」

私の覚悟を悟り、笹西さんと兄が重々しく頷いた。
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