憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「先にもお伝えしましたが、こちらの要求は井ノ上さんとの結婚です」
「はっ」
要求を聞き、母親が吐き捨てる。
「こちらが下手に出ていれば、それ?
これだから庶民は」
母親は私を庶民だと蔑んでいるようだが、彼女自身も元はクラブのホステスだ。
それが〝高級〟とつく店だったから、自分は違うのだとでも言いたいのだろうか。
それに下手に出ていたって、完全に高圧的で失礼な態度でしたが?
「岡園」
「はい、奥様」
彼女に呼ばれ、今度は岡園さんが準備していたであろう書類をテーブルに滑らせてくる。
目の前に置かれたそれを、三人揃ってのぞき込んだ。
それは龍志に怪我をさせた慰謝料の請求書だった。
すぐにストーカーの件だとぴんときた。
「井ノ上様のせいで龍志様は危険な目に遭い、一生消えない傷を負ってしまいました。
その慰謝料を請求いたします」
笹西さんは書類を手に取り、中身を精査している。
「確かにあれは私を庇ったせいですが、怪我を負わせたのはストーカーの市崎です」
「しかし、井ノ上様を庇ったりしなければ、龍志様は怪我をしなかったですよね」
「それは……」
「はっ」
要求を聞き、母親が吐き捨てる。
「こちらが下手に出ていれば、それ?
これだから庶民は」
母親は私を庶民だと蔑んでいるようだが、彼女自身も元はクラブのホステスだ。
それが〝高級〟とつく店だったから、自分は違うのだとでも言いたいのだろうか。
それに下手に出ていたって、完全に高圧的で失礼な態度でしたが?
「岡園」
「はい、奥様」
彼女に呼ばれ、今度は岡園さんが準備していたであろう書類をテーブルに滑らせてくる。
目の前に置かれたそれを、三人揃ってのぞき込んだ。
それは龍志に怪我をさせた慰謝料の請求書だった。
すぐにストーカーの件だとぴんときた。
「井ノ上様のせいで龍志様は危険な目に遭い、一生消えない傷を負ってしまいました。
その慰謝料を請求いたします」
笹西さんは書類を手に取り、中身を精査している。
「確かにあれは私を庇ったせいですが、怪我を負わせたのはストーカーの市崎です」
「しかし、井ノ上様を庇ったりしなければ、龍志様は怪我をしなかったですよね」
「それは……」