憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
確かにそのとおりなので、なにも言えなくなる。
「あの」
重い沈黙の中、笹西さんが手を上げた。
「法律的にも井ノ上さんに請求するのはお門違いです。
それにこれ、相場よりかなり高いですが、どういう計算でこのような額に?」
「そ、それは……」
笹西さんの指摘で岡園さんは出てもいない汗を拭うのに忙しいが、母親は憮然とした表情で聞いていた。
というか岡園さん、こんな母親のいる宇佐神家の顧問弁護士なんて向いていないのではと気の毒になってくる。
「お門違いもなにも、この女がいなければ龍志はあんな怪我をしませんでした」
不躾にも母親は〝この女〟と私を指さした。
その指先を睨みつける。
「顔に一生残る傷を作るなんて。
人様の息子を傷物にしておいて、謝罪しないおつもり?
あの傷のせいで嫁の来てもないかもしれないし、仕事でも偏見を持たれるかもしれないのに」
はぁっとこれ見よがしに母親がため息をつき、きつく奥歯を噛みしめた。
龍志にはちゃんと謝ったし、彼も気にしないでいいと言ってくれた。
しかし、仕事で余計なことを言われないように毎朝、傷を隠すメイクをしていたのも知っている。
「あの」
重い沈黙の中、笹西さんが手を上げた。
「法律的にも井ノ上さんに請求するのはお門違いです。
それにこれ、相場よりかなり高いですが、どういう計算でこのような額に?」
「そ、それは……」
笹西さんの指摘で岡園さんは出てもいない汗を拭うのに忙しいが、母親は憮然とした表情で聞いていた。
というか岡園さん、こんな母親のいる宇佐神家の顧問弁護士なんて向いていないのではと気の毒になってくる。
「お門違いもなにも、この女がいなければ龍志はあんな怪我をしませんでした」
不躾にも母親は〝この女〟と私を指さした。
その指先を睨みつける。
「顔に一生残る傷を作るなんて。
人様の息子を傷物にしておいて、謝罪しないおつもり?
あの傷のせいで嫁の来てもないかもしれないし、仕事でも偏見を持たれるかもしれないのに」
はぁっとこれ見よがしに母親がため息をつき、きつく奥歯を噛みしめた。
龍志にはちゃんと謝ったし、彼も気にしないでいいと言ってくれた。
しかし、仕事で余計なことを言われないように毎朝、傷を隠すメイクをしていたのも知っている。