憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
生まれた子を宇佐神家に引き渡す宣誓書、子を渡す代償として幾ばくかのお金を払うので今後一切、宇佐神家と、龍志とかかわらないという宣誓書。
それはまるで私がこの子を売るかのようで、ふつふつと怒りが湧いてくる。

「……馬鹿にしないで」

「本来ならそちらから慰謝料や養育費をいただくところですけど、慈悲で払って差し上げます」

「馬鹿にしないで!」

私に大声を出され、母親はぴたりと口を噤んだ。

「確かに私は、龍志に子供を身籠もらせてくれてありがとうって感謝してる」

「でしょう?」

母親が得意満面になり、それを見て吐き気がこみ上げてきた。
しかしこれは、つわりのせいでないと断言できる。

「でもそれは、龍志が私を愛してるって証明だから。
子供を渡せ?
愛する人とのあいだにできた子供を手放したりするわけないでしょ。
なに言ってるの?」

精一杯、今度は私のほうから母親を見下してやる。
彼女はぶるぶると震えながら、みるみる顔を真っ赤に染めていった。

「いい気になって!
身の程をわきまえなさい!」

甲高い叫び声が響き、耳が痛くなる。

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