憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「龍志さん、あなた、なぜここにいるの!
今日は遠方に行っているはずでしょ!」
すぐに詰問する、母親の鋭い声が飛ぶ。
「はぁーっ」
しかし彼には効いていないようで、面倒臭そうにため息をついた。
「このこと、俺が知らないとでも思ってたのか?」
皮肉るように彼が笑い、母親はまた真っ赤になった。
……ああ。
龍志だ。
龍志が、目の前にいる。
ひさしぶりに会った彼は、ほんの少しのあいだに随分やつれているように見えた。
以前よりも痩せ、ちゃんと食事をしているのか心配になってくる。
「それで。
俺の子を身籠もったから結婚してほしい、だったか?
残念ながら君と結婚などできない。
それに子供を養っても余りあるほどの金を渡したはずだ」
龍志の言葉を聞き、母親が嬉しそうになる。
反対に私は、あの優しい彼とは思えない言い草に目の前が真っ暗になった。
あんなに私に、愛しているだのなんだの言ってくれたのは、嘘だったんだろうか。
しかし膝の上にのる、彼の硬く握られた手が細かく震えているのに気づいた。
……龍志は私を傷つけていると、後悔している。
あれは私を守るために、わざと言っているのだ。
今日は遠方に行っているはずでしょ!」
すぐに詰問する、母親の鋭い声が飛ぶ。
「はぁーっ」
しかし彼には効いていないようで、面倒臭そうにため息をついた。
「このこと、俺が知らないとでも思ってたのか?」
皮肉るように彼が笑い、母親はまた真っ赤になった。
……ああ。
龍志だ。
龍志が、目の前にいる。
ひさしぶりに会った彼は、ほんの少しのあいだに随分やつれているように見えた。
以前よりも痩せ、ちゃんと食事をしているのか心配になってくる。
「それで。
俺の子を身籠もったから結婚してほしい、だったか?
残念ながら君と結婚などできない。
それに子供を養っても余りあるほどの金を渡したはずだ」
龍志の言葉を聞き、母親が嬉しそうになる。
反対に私は、あの優しい彼とは思えない言い草に目の前が真っ暗になった。
あんなに私に、愛しているだのなんだの言ってくれたのは、嘘だったんだろうか。
しかし膝の上にのる、彼の硬く握られた手が細かく震えているのに気づいた。
……龍志は私を傷つけていると、後悔している。
あれは私を守るために、わざと言っているのだ。