憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
それを最後に、通話は唐突に切れた。

「本当に失礼な人ですね」

「いや、あれは親父なりの虚勢だろ。
それに七星に庇ってもらったのは事実だしな」

小さく龍志が肩を竦める。

「そんなわけで母さん。
俺はこの家を出ていきます」

「そんなの、許しませんよ!」

龍志が宣言した途端、母親は怒りを露わにした。

「許さないもなにも。
この家では親父の決定が絶対。
その親父が出ていけって言うのだから、出ていくしかないと思うけど?」

「どいつもこいつも、私を馬鹿にして!」

母親は龍志に掴みかかってきたが、彼は涼しい顔をして払いのけた。

「では、話がつきましたので我々は一旦、帰ります。
満智さんがあなたを訴える件につきましては、また改めて」

書類を片付け、笹西さんがその場を閉める。
母親は自分を訴える話はうやむやになったと高を括っていたのか、みるみる顔色を失っていった。

「まあ、頑張ってくれ」

慰めるように母親の肩をぽんぽんと叩き、龍志は立ち上がった。

「このまま帰るからちょっと待っててくれ。
荷物をまとめてくる」

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