憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~

「はい、それで」

キッチンを見ながら彼は確認してきた。

「妊娠中はなにがダメでなにがいいのか、調べないとな」

少しして温かいお茶が入ったカップを彼が渡してくれる。

「あー、そうですね」

「つわりは大丈夫なのか」

心配そうに眼鏡の下で彼の眉が寄る。

「まだ多少くらいでなんとかなっています」

少し前に妊婦の社員さんがいて、彼女はとてもつわりが重そうで龍志も気を遣っていたので、気になるところだろう。

「つらかったら上司に相談しろ。
あ、いや、小山田部長だと無視されそうだけどな……」

はぁーっと彼の口から苦悩の濃いため息が落ちていき、苦笑いしていた。

「大丈夫ですよ、小山田部長は相変わらずあれですが、新しい課長は新島(にいじま)さんなので」

「そうか、新島さんになったのか。
だったら安心だな」

新島さんは広告宣伝部では古株で派手な実績こそないが、人格者で堅実な方だ。
なので龍志も納得している。

「龍志は今から、どうするんですか」

私を後ろから抱きしめ、彼はまだ脹らんでいない私のお腹を愛おしそうに撫でている。

< 578 / 585 >

この作品をシェア

pagetop