憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「はい、それで」
キッチンを見ながら彼は確認してきた。
「妊娠中はなにがダメでなにがいいのか、調べないとな」
少しして温かいお茶が入ったカップを彼が渡してくれる。
「あー、そうですね」
「つわりは大丈夫なのか」
心配そうに眼鏡の下で彼の眉が寄る。
「まだ多少くらいでなんとかなっています」
少し前に妊婦の社員さんがいて、彼女はとてもつわりが重そうで龍志も気を遣っていたので、気になるところだろう。
「つらかったら上司に相談しろ。
あ、いや、小山田部長だと無視されそうだけどな……」
はぁーっと彼の口から苦悩の濃いため息が落ちていき、苦笑いしていた。
「大丈夫ですよ、小山田部長は相変わらずあれですが、新しい課長は新島さんなので」
「そうか、新島さんになったのか。
だったら安心だな」
新島さんは広告宣伝部では古株で派手な実績こそないが、人格者で堅実な方だ。
なので龍志も納得している。
「龍志は今から、どうするんですか」
私を後ろから抱きしめ、彼はまだ脹らんでいない私のお腹を愛おしそうに撫でている。