憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
疲れて遅くに帰って、さらに料理をさせるなんてできない。

「うどん?
いいけど」

宇佐神課長は意外そうで、そこではっと気づいた。
うちは福岡出身なのもあってよくうどんを食べるのだが、普通はそうじゃないらしい。

「あ、別のでも全然」

もしかして気に入らなかったんじゃないかと慌てて取り消してみる。

「いや、うどんでいい。
駅前のチェーン、確か遅くまでやってただろ」

「そう、ですね」

「もしかして七星はうどんも好きなのか?
また新しい七星の一面が知れたな」

なぜか楽しそうに課長は笑っている。
そういうところはいいなと思った。

一時間ほどで仕事は片付き、会社を出た。

「さすがに会社周りはいないか」

一応、警戒するように周囲を見渡し、宇佐神課長が苦笑いする。

「……ここまでは勘弁してほしいです」

せめて仕事中くらいは邪魔せず、集中させてほしい。

駅前にあるチェーンのうどん店で夕飯を済ませる。

「……肉ごぼううどんとかしわおにぎりが食べたい」

うどんを啜りながらふと漏れる。

「肉ごぼう?
かしわおにぎり?」

不思議そうに問うた課長の眼鏡が、湯気で真っ白に曇る。
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