憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「女を取っ替え引っ替えって酷い言われようだな、おい」

本当に嫌そうに課長はため息をついたが、そこは否定できないのでは?

「俺は仕事で女性を部屋に連れてきてるだけだけど?」

彼がなにを言っているのかわからなくて、頭の中をクエスチョンマークの行列が通り過ぎていった。
ストーカーの彼も同じだったみたいで、間抜けな顔をしてフリーズしている。

「そ、そんなはず、ないだろ!」

「でも、そうなんだよなー。
うちの商品でメイクしたらどんな感じか試させてもらって、使用感とか評判とか聞いて。
あとはお礼にエステとマッサージ。
で、たいてい寝落ちるから、そのまま一晩、泊めてるだけだけど?」

これのどこにやましいところがあるのだと宇佐神課長は言わんばかりだが、さすがに無理がない?
現に。

「男と女が一晩、同じ部屋で過ごしてなにもないなんてあるわけないだろ!」

つばを飛ばして男が指摘する。
まあそれは確かに、普通の反応だ。

「そ、れ、が。
あるんだな」

わざとらしく一音ずつ区切り、課長がにやりと笑う。

「そこの七星がよく知っている」

「へっ?」

突然のご指名で変な声が出た。
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