憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
男が突進してきて、避けなきゃと思うがその場に釘で足を打ち付けられているかのように一歩も動かない。
その瞬間が怖くて目をつぶったとき、私の前に課長が立ちはだかった。
「いい加減にしろよ、おい。
いちざきぃ」
課長の声が聞こえ、おそるおそる目を開けた。
私に見える後ろ姿の彼は、ぶるぶると細かく震えている。
……まさか、刺されたんじゃ。
怖くて怖くて、うっすらと目に涙が溜まっていく。
なにかしなきゃと思うものの、パニックになった頭ではなにをすべきなのかすらわからない。
「好きな女にこんなもの向けるとか、どういう了見だ!」
課長の怒号があたりに響き渡る。
よくよく見ると課長が男の手首を掴み、頭上高く持ち上げていた。
男の手から落ちたナイフが、課長の頬を掠めていく。
おかげで眼鏡が、外れた。
「あ、あ」
邪険にぽいっと突き落とされ、ストーカーの男が無様に尻餅をつく。
腰が立たないのかそのまま這って逃げようとしたが、宇佐神課長がその前に立ちはだかった。
「逃げられると思うなよ。
なあ、市崎さんよぅ」
「ひ、ひぃっ!」
仰け反った男の視線の先には私の顔がある。
その瞬間が怖くて目をつぶったとき、私の前に課長が立ちはだかった。
「いい加減にしろよ、おい。
いちざきぃ」
課長の声が聞こえ、おそるおそる目を開けた。
私に見える後ろ姿の彼は、ぶるぶると細かく震えている。
……まさか、刺されたんじゃ。
怖くて怖くて、うっすらと目に涙が溜まっていく。
なにかしなきゃと思うものの、パニックになった頭ではなにをすべきなのかすらわからない。
「好きな女にこんなもの向けるとか、どういう了見だ!」
課長の怒号があたりに響き渡る。
よくよく見ると課長が男の手首を掴み、頭上高く持ち上げていた。
男の手から落ちたナイフが、課長の頬を掠めていく。
おかげで眼鏡が、外れた。
「あ、あ」
邪険にぽいっと突き落とされ、ストーカーの男が無様に尻餅をつく。
腰が立たないのかそのまま這って逃げようとしたが、宇佐神課長がその前に立ちはだかった。
「逃げられると思うなよ。
なあ、市崎さんよぅ」
「ひ、ひぃっ!」
仰け反った男の視線の先には私の顔がある。