憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~

にこっと笑い、彼は部屋を出ていった。

「つか、れた……」

とりあえず拭き取りシートで化粧を落としてしまい、それ以上は気力がなくてベッドに潜り込んだ。
勝手に好きになられて逆上して殺されそうになるなんて、勘弁してほしい。
しかもそれで、宇佐神課長に冤罪をかけるとこだった。
……でも。

「……格好よかった、な」

私を庇ってくれた彼は、私の目からはヒーローに見えた。
あんな状況なのに、――あんな状況だから?
胸が無駄に高鳴ったのも事実だ。
とりあえず、朝食のときにもう一度、きちんとお礼を言おう。
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