憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
第三・五章 デキる部下はウブでした~宇佐神Side~
「恋人であるオレを裏切った罪、償え!」
男が両手でかまえたナイフがギラリと光る。
「七星!」
反射的に身体が動いた。
彼女を庇い、そのナイフが握られている男の手首を掴む。
「いい加減にしろよ、おい。
いちざきぃ」
腹の底が沸騰して熱い。
けれど反対に頭はこれ以上ないほど、冷めていた。
ぎりぎりと手首を締め上げ、力任せに持ち上げてヤツと目をあわせる。
ヤツは怯えた目で、俺を見た。
「好きな女にこんなもの向けるなんて、どういう了見だ!」
怒りにまかせ、ヤツを怒鳴りつける。
ヤツはストーカーには違いないが、もしかしたら本当に七星を愛しているのかもしれない。
そんな考えを持っていた自分の甘さを恥じた。
そのせいで、もう少しで七星を死なせるところだった。
この怒りは男に向けたものではない、自分に向けたものだった。
七星――井ノ上七星はあの日まで、ただの部下に過ぎなかった。
頼りがいがあり、実際、仕事もできる。
自分では地味だと思っているようだが、控えめながら押さえるところはきちんと押さえたメイクは好感度が高いし、さらに顔が整っているのでそういうメイクが映えた。
男が両手でかまえたナイフがギラリと光る。
「七星!」
反射的に身体が動いた。
彼女を庇い、そのナイフが握られている男の手首を掴む。
「いい加減にしろよ、おい。
いちざきぃ」
腹の底が沸騰して熱い。
けれど反対に頭はこれ以上ないほど、冷めていた。
ぎりぎりと手首を締め上げ、力任せに持ち上げてヤツと目をあわせる。
ヤツは怯えた目で、俺を見た。
「好きな女にこんなもの向けるなんて、どういう了見だ!」
怒りにまかせ、ヤツを怒鳴りつける。
ヤツはストーカーには違いないが、もしかしたら本当に七星を愛しているのかもしれない。
そんな考えを持っていた自分の甘さを恥じた。
そのせいで、もう少しで七星を死なせるところだった。
この怒りは男に向けたものではない、自分に向けたものだった。
七星――井ノ上七星はあの日まで、ただの部下に過ぎなかった。
頼りがいがあり、実際、仕事もできる。
自分では地味だと思っているようだが、控えめながら押さえるところはきちんと押さえたメイクは好感度が高いし、さらに顔が整っているのでそういうメイクが映えた。