憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
第四章 憧れの上司が彼氏認定されました
ストーカー男、市崎に襲われた翌日。
宇佐神課長も私も、午後休を取っていて助かった。
ほとんど寝ていなかったのもあるし、さらに警察署に呼ばれて事情聴取を受けた。
まだ宇佐神課長が殺人未遂犯だと疑っているのかとうんざりしたが。

「どもー。
弁護士の笹西(ささにし)でーす」

……と、警察署へ行く前に軽薄なホストみたいなノリで弁護士を名乗る男が現れた。
ただし、見た目は七五三の男の子を彷彿とさせる童顔だ。

「事情は宇佐神から聞きました。
あとは僕にまかせてください」

などと言われても不安でしかなく、宇佐神課長を見上げる。

「高校からの友人なんだ。
ノリはこんなんだが仕事は信頼できるから安心していい」

「ひど!
宇佐神、ひど!」

しかし抗議しつつけらけらと軽く笑っているとなるといくら宇佐神課長から言われても信じられなかったが、彼があいだに入ってくれたおかげかあっという間に嫌疑は解けた。
さらにいろいろあきらかになった。

市崎は宇佐神課長の読みどおり、私が会社から帰る頃を狙って駅を見張り、一晩マンションを監視して翌朝、出勤する私を駅まで見送って家に帰っていたそうだ。
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