憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「ん?」

私が軽く改まり、課長は箸を止めて怪訝そうに私を見た。

「食事をさせていただけるのは大変ありがたいんですが、毎日私がここでごはんを食べているといろいろ困るのでは……?」

宇佐神課長と食事を共にするようになって、女性の出入りがまったくなくなった。
とはいえ、ここしばらくはストーカー事件で忙しかったというのもあるだろうが。
しかし、彼としては迷惑ではないんだろうか。

「なにが困るんだ?
食費?
それは入れてもらうように話がついただろ」

私の申し出に興味がないのか、課長は食事を再開した。
食費の話は先日、した。
最初は断られたが、作ってもらううえにお金も出さないなんてダメだ。

『受け取ってくれないのなら、もう宇佐神課長に食事を作ってもらいません』

『オーケー。
わかった』

降参だと手を上げ、食費を入れるという私の提案を飲んでくれたが、なんでそこまで私に食事を作りたいんだろうか。
まったくもって謎だ。

「いや、食費の話じゃなくてですね……」

はっきりと女性関係ですとは言えず、無意味にご飯を一粒ずつ口に運ぶ。

「じゃあなんだ」

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