あきれるくらいそばにいて

未来とは、大学の時にバイトしてたバイト先の先輩で、年齢も2つ上だった。

バイト先でも未来は人気者で、未来からの告白で付き合い始めたが、就職をしてバイトを辞める前に別れてしまった為、就職先は知らなかった。

それがまさかこの会社だったなんて、、、

しかも、30歳で主任だなんて、頑張ってるんだなぁ。

そんなことを思いながら、わたしは未来と顔を合わせづらくて、俯き加減で業務前の準備を行っていた。

すると、わたしのデスクは窓際にある主任のデスクとすぐそばの為、就業時間になり未来が近付いて来るのを感じた。

わたしは知らないフリをして、送付されてきた書類を確認していた。

その時、「あれ、、、葉月?」と声を掛けられた。

懐かしいわたしの名前を呼ぶ未来の柔らかい声。

わたしは恐る恐る少しだけ顔を上げ、目だけで未来の声がする方を見た。

すると、そこにはスーツ姿にあの頃よりも当然大人びた、未来の姿があったのだ。

背が高くスタイルの良い未来にスーツはよく似合っていた。

「久しぶり。」

わたしが小さな声でそう言うと、未来はデスクにつきながら驚いた表情で「葉月、ここで働いてるの?」と言った。

「う、うん。」

わたしがそう返事をすると、わたしの左隣のデスクの舟田さんが「え?白崎主任、星野さんと知り合いなんですか?」と驚き、未来は「はい、まぁ。」と複雑そうな表情で答えていた。

< 3 / 55 >

この作品をシェア

pagetop