あきれるくらいそばにいて
未来とは、大学の時にバイトしてたバイト先の先輩で、年齢も2つ上だった。
バイト先でも未来は人気者で、未来からの告白で付き合い始めたが、就職をしてバイトを辞める前に別れてしまった為、就職先は知らなかった。
それがまさかこの会社だったなんて、、、
しかも、30歳で主任だなんて、頑張ってるんだなぁ。
そんなことを思いながら、わたしは未来と顔を合わせづらくて、俯き加減で業務前の準備を行っていた。
すると、わたしのデスクは窓際にある主任のデスクとすぐそばの為、就業時間になり未来が近付いて来るのを感じた。
わたしは知らないフリをして、送付されてきた書類を確認していた。
その時、「あれ、、、葉月?」と声を掛けられた。
懐かしいわたしの名前を呼ぶ未来の柔らかい声。
わたしは恐る恐る少しだけ顔を上げ、目だけで未来の声がする方を見た。
すると、そこにはスーツ姿にあの頃よりも当然大人びた、未来の姿があったのだ。
背が高くスタイルの良い未来にスーツはよく似合っていた。
「久しぶり。」
わたしが小さな声でそう言うと、未来はデスクにつきながら驚いた表情で「葉月、ここで働いてるの?」と言った。
「う、うん。」
わたしがそう返事をすると、わたしの左隣のデスクの舟田さんが「え?白崎主任、星野さんと知り合いなんですか?」と驚き、未来は「はい、まぁ。」と複雑そうな表情で答えていた。