あきれるくらいそばにいて
すると、舟田さんのお喋りが始まった。
「白崎主任と星野さんが知り合いだなんて意外!星野さん、存在感無さすぎて、いつも居るのか居ないのか分からないくらいなんですよ?コミュニケーションが苦手みたいで、白崎主任、もし分からないことがあったら、何でもわたしに聞いてくださいね!わたしが人事部の中では一番長いので!」
そう言って、仕事出来ますアピールをする舟田さん。
よく言うよ。
いつも面倒な仕事は全部、わたしに丸投げのくせに。
わたしは黙ったまま何も言い返せず、店舗から届いた新人パートやアルバイトの履歴書などを確認し、パソコンに必要事項を打ち込むと、店舗や部署別に仕分けてファイルに保存していった。
その間も未来に話し掛け続ける舟田さん。
舟田さんは確か50歳手前くらいの年齢だが、未婚で若い男性社員に話し掛けまくるのが大好きなおばちゃんだった。
そろそろ舟田さんのマシンガントークに疲れた未来は、「舟田さん、そろそろ仕事してくださいね。僕も着任して来て、やる事がたくさんあるので。」と苦笑いを交えて言った。
「あー、ごめんなさい!そうですよね!また休憩の時にお話ししましょうね!」
舟田さんはそう言うと、隣の部署の会計の笹田さんと話し始めた。
大体、"舟田さん"という人がどうゆう人なのか理解した様子の未来は、わたしの方を向き、苦笑いを浮かべながら小さな溜め息をついたのだった。