あきれるくらいそばにいて

「何で全然会ってくれないんだよ。寂しいじゃねーか。」
「もう関係ないでしょ?何でここが分かったの?」
「お母さんに聞いたんだよ。葉月から返信が来ないって言うから、お父さんから会いに来てやったぞ。」

そう言って、父がわたしを触ろうとしたので、わたしは後ろに一歩下がった。

「何で逃げるんだよ。お父さんだぞ?」
「わたしは、もう父親だと思っていないし、家族も居ないと思ってる。」
「何言ってるんだよ。お前は、お父さんからは逃げられないんだ。"男"というものを教えてやったのは、お父さんなんだからな。」

父がそう言ってわたしに近付こうとした時、わたしの目の前に誰かが立ちはだかった。

「葉月に近付くのはやめてください。」

そう言って、守ってくれたのは未来だった。

「はぁ?誰だお前。」
「葉月の恋人です。彼女には、もう近付かないであげてください。」
「何言ってるんだ。俺は父親だぞ?」
「僕は、葉月から色々聞いています。いくら父親とはいえ、あまりしつこいようでしたら警察を呼んでもいいんですよ?事情を話せば、それなりに動いてくれると思います。警察のお世話になりたいですか?」

未来の言葉に「クソッ」とでも言いたそうな表情を浮かべる父。

「葉月!お父さんを見捨てるのか?!」
「わたしには、もうお父さんは居ない!わたしには、味方がいる!だから、一人じゃないし、もうお父さんなんて怖くない!もうわたしに関わらないで!」

わたしがそう言うと、わたしの言葉にショックを受けたのか、父は舌打ちをして背を向け歩いて去って行った。

すると、急に力が抜け、わたしは地べたに座り込んでしまった。

「葉月!大丈夫か?!」

そんなわたしを心配してくれる未来。

わたしは「わたし、、、お父さんに勝った。」と言い、未来を見上げると、未来は「よく言ったな。葉月の勝ちだ。」と言うと、わたしを軽々と持ち上げ、お姫様抱っこをした。

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