同期の姫は、あなどれない
鍋を手に取って隣りに立つ姫の左耳には、スタッドピアスが光っている。
昔はもっと開けていたらしいけど、就活始まってつけなくなったら塞がって、左耳の一つだけが残ったらしい。
私が話題にするまで姫自身もほとんど忘れていたようで、最近は週末だけつけるようになったそれを、私は新鮮な気持ちで見つめる。
「何か気になる?」
「ううんっ、あ、ナポリタンに使うハム少しだけもらってもいい?」
自分の作業の手が止まっていることに気づいて、それ以上追求されないようになるべく自然に話題を変える。そうだ、サラダを作らないと。
キャベツと人参を千切りにして、軽く塩を振って水気を絞る。分けてもらったハムを刻んだら、ボウルにマヨネーズとお酢とお砂糖を少し入れて、全部を混ぜ合わせれば完成だ。
コンロの前に立つ姫は、すでにフライパンで切った具材とスパゲッティを炒め合わせていた。いつの間にスパゲッティを茹でていたんだろう。その手際の良さに驚く。
「前から思ってたけど、姫って料理上手だよね」
「ん?大学の頃から一人暮らしだから多少は。麺類とか炒め物とか簡単なものばっかだけど」
そう言いながら、軽々と器用にフライパンを煽る。
「料理は簡単で美味しいのが最強だと思う。それにシンプルな方が誤魔化しが効かないから難しかったりするもの」
男の人は力があるからフライパンを振るうのが上手なのかもしれない。そんなことを思っていると姫がフライパンを煽る手を止めて、コンロの火を消した。
もう出来たのかな、とお皿を用意して向き直ったとき、眼前に姫の顔があって、目を瞠る同時にキスが降ってきた。
「っん…!?ひ、姫っ……!」
「……あ、つい」
見上げた姫の顔は、自分でもびっくりしたみたいな表情をしている。
昔はもっと開けていたらしいけど、就活始まってつけなくなったら塞がって、左耳の一つだけが残ったらしい。
私が話題にするまで姫自身もほとんど忘れていたようで、最近は週末だけつけるようになったそれを、私は新鮮な気持ちで見つめる。
「何か気になる?」
「ううんっ、あ、ナポリタンに使うハム少しだけもらってもいい?」
自分の作業の手が止まっていることに気づいて、それ以上追求されないようになるべく自然に話題を変える。そうだ、サラダを作らないと。
キャベツと人参を千切りにして、軽く塩を振って水気を絞る。分けてもらったハムを刻んだら、ボウルにマヨネーズとお酢とお砂糖を少し入れて、全部を混ぜ合わせれば完成だ。
コンロの前に立つ姫は、すでにフライパンで切った具材とスパゲッティを炒め合わせていた。いつの間にスパゲッティを茹でていたんだろう。その手際の良さに驚く。
「前から思ってたけど、姫って料理上手だよね」
「ん?大学の頃から一人暮らしだから多少は。麺類とか炒め物とか簡単なものばっかだけど」
そう言いながら、軽々と器用にフライパンを煽る。
「料理は簡単で美味しいのが最強だと思う。それにシンプルな方が誤魔化しが効かないから難しかったりするもの」
男の人は力があるからフライパンを振るうのが上手なのかもしれない。そんなことを思っていると姫がフライパンを煽る手を止めて、コンロの火を消した。
もう出来たのかな、とお皿を用意して向き直ったとき、眼前に姫の顔があって、目を瞠る同時にキスが降ってきた。
「っん…!?ひ、姫っ……!」
「……あ、つい」
見上げた姫の顔は、自分でもびっくりしたみたいな表情をしている。