同期の姫は、あなどれない
「ゆきのちゃんも、今日は来てくれてありがとうね。楽しんでくれてる?」

「はい。こういうガーデンパーティーは初めてで、すごく楽しいです。それに、お庭はもちろんなんですけど、テーブルの装飾とかお花もとても素敵です」

 屋内やテーブルに飾られているアレンジメントは、白と緑を基調としてその中に差し色の花が品よく飾られている。それが庭の木や草花と調和していて、とても美しい。

「ふふ、ありがとう。それ、うちの母さんが聞いたら喜ぶと思うよ」

「え?」

「フラワーデザイナーやってるって前に少し話したことあるでしょ?会場のフラワーアレンジとかブーケとか、トータルコーディネートを頼んだんだよ」

 知らなかった。それは姫は同じだったようで、その顔を見ると驚いている。

「あ、でも挙式のときいらっしゃらなかったような…?」

「『離婚して出て行った自分がいたら周りが気を使うでしょ』って聞かなくて不参加。俺たちは気にしないって言ったんだけど。たぶんスタッフとしてどっかから見てると思うよ」

 私はもう一度、会場をぐるっと見まわす。
 透子さんが手に持つブーケ、テーブルのお花、ゲストに配られた手作りのコサージュ。

 参列できなくても、その一つ一つにお祝いの気持ちが込められているんだと思うと、胸がぎゅっと詰まって、鼻の奥が少しツンとした。


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