柊くんはダメ男。
《1章》
レスプランティール
「新タくんは彼女とかいるの?」
「かっこいいし、めっちゃモテそう!」
HRが終了してすぐに柊くんの周りにクラスの女子が集まってきた。
「ひみつ~。」
「秘密だって!」
「絶対いないやつじゃん?」
「作ってないだけで、遊びまくってるとか!?」
酷い言われよう...。
今なんかは、髪色も相まって派手な雰囲気だけど、中学の時の柊くんは真っ黒のツヤツヤな髪の毛でいかにもさわやかっていう感じだった。
翠町中学校を卒業してから1年半の間に何かあったのかな?
「椿は、新タくんのこと中学の時から知ってるんでしょ?」
柊くんを取り巻いていたうちの1人が私にそう話しかけてきた。
「まあ…。」
「中学の時からこんなにかっこよかったの!?」
中学の時の柊くんはかっこいいっていうより……。
「かわいかった?」
「ん……?」
私がそういうと、柊くんがこっちを見ていて。
心なしか顔が引きつっているような……。
「椿、俺のことそんな風に思ってたんだ?」