柊くんはダメ男。
「な、なによ……。」
「……いや?なにも?」
さっきまで引きつっていた柊くんの顔が次は何を考えているのか全く分からない笑顔に変わった。
なんか……怖い…?
「そういえば、中学卒業する前に付き合ってた人は?まだ続いてるの?」
急に、何を聞いてきたかと思えば……。
「続いてるわけないでしょ?……二股されてたの。」
「中学3年生で二股って……そんなことあるの?」
次は、お腹を抱えて笑い出した柊くん。
「何笑ってるのよ……!」
中学3年のクリスマスに私は人生で初めての彼氏ができた。
今思えば外でデートなんてしたことなかったし、誰にも言っちゃダメなんて言われてた。
結局彼には、他校に1年以上付き合っている彼女がいたらしく、それは親友の朝比奈 氷芽が教えてくれた。
「椿っていつも男運ないよな?」
「なっ……!!」
「はいはい、そこまでにしてあげて?…久しぶり新タ。」
「お前もいたのか、朝比奈。」