柊くんはダメ男。
からかわれている私を助けてくれる、氷芽ちゃん。
身長が高くて、サラサラな黒髪ストレートがよく似合うかっこよくてきれいな女の子。
「柊くんてば、中学の時の二股事件のことすっごく馬鹿にしてくるんですけど……!」
「かわいそう……だけど、面白いのも事実なのよね。」
「氷芽ちゃんまで……。」
味方だと思っていた氷芽ちゃんにもからかわれてしまった。
「朝比奈は?中学の時の奴と続いてんの?」
「当たり前でしょ。あなたの隣の席ですけど、彼氏。」
席の周りに立っている女子たちの隙間から隣の席の男子を覗く柊くん。
「……日向 聖だ。」
「そうそう!聖だったか!朝比奈がよく言ってた彼氏ってこんなにイケメンだったのか~。」
聖は、ガタイがよくていわゆるスポーツマンで小さいころから空手をやっているらしい。
私たちが通っている霞台高校は、空手はもちろんいろんな分野で結果を残してる部活動の名門校。
中学受験をして九州に行っていた聖は、高校に入学するのを機にこっちに戻ってきて一人暮らしを始めた。