世界はそれを愛と呼ぶ

第9節 愛されない

☪︎



「─美月〜」

場所は、天宮家。集まった幼なじみ達。
今日行うのは、パーティーの最終確認だ。

「薫、桜」

「久しぶり。─招待客の一部、うちのと入れ替えたよ」

「ありがとう。護衛としては完璧だわ」

各自各々、相馬や沙耶を中心としたパーティーで、全ての膿を出し切る為に動いていた。

「招待客は厳選したんだよね?」

「ええ。相模から貰った情報を元にね……水樹達とも話し合って、細かいところは揃えてる」

「今回の件、相馬は噛んでるの?」

「ううん。兄さんは噛んでないよ。それ以上に大変な案件ばかりだったし、その補佐で甲斐も慌ただしい生活を送っているからね。……そういや、美月。兄さんが連れて帰ってきた、大量の被害者は?」

「それなら、うちの病院の離れの病棟を全部整えて、そこで治療を受けてもらっているわ。手術をすることで良くなった人もいる一方、障害を避けられない方もいるけど……世間的にもあまり目立たない方が良いだろうし、彼らがパーティーに出席にしている間に、多くの情報をバラバラにして、ネットに流せるように準備もしているの」

「そっか」

「任せて。─四季の家の膿は、本当に目障りだから」

美月は、正義感が強いタイプだ。
それ以上に、命に対して、かなり厳しい面もある。
医者家系に生まれたという点もあるだろうが、昔から、自分が傷つくよりも誰かが傷つくことを厭う人間だ。今回の事件は、それだけ腹立たしく感じているのだろう。

「それで?相馬と沙耶は?」

「んー、儀式の途中。1週間もすれば、ちょうど良いかもね」

「儀式出来たんだ?相馬が嫌がるかと思ってた」

「沙耶の覚悟に影響されたんじゃない?─兄さんがそばにいないことは、沙耶にとっては不安で、本当にしんどい思いをしただろうに、ずっと気丈に振舞っていたから。いっぱい甘えて、互いに埋め合えば良いと思うよ」

「それは良いんだけど……相馬はともかく、沙耶のドレスがね?」

「─ああ。それなら」

水樹はスマホを取りだして、沙耶のサイズが事細かに記されたデータを、美月に転送した。


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