取引婚をした彼女は執着神主の穢れなき溺愛を知る
「これからたっぷり気持ちよくしてあげましょう」
 にたり、と笑う聖七に、優維はまた悲鳴を上げた。
 直後、扉が勢いよく開けられる。

「優維さん!」
 優維と聖七ははっとして入口を見る。
 そこには息をきらした千景がいた。

「お前は……」
 憎々し気に聖七がつぶやく。
 千景はいっきに聖七との距離を詰める。
 殴りかかる千景を避けたせいで優維から聖七の手が離れる。
 優維はすぐに起き上がり、千景に駆け寄った。

「千景さん」
 優維は潤んだ瞳で彼を見上げる。
 千景は顔を怒りに染め、ジャケットを脱いで優維にかける。

「お前、ハワイに行ったはずだろ」
 聖七の様子が変わり、優維は震えた。腹の底に響くようなドスの利いた声に、ぎらりとした目つきは獰猛で、まるで凶悪なヤクザだ。
 だが、千景はまったく動揺を見せない。

「途中で戻った。お前の正体がわかったからな」
「なんのことだ」
「島岩さんに会って、すべて聞いた」
 聖七の眉間に皺が寄る。
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