取引婚をした彼女は執着神主の穢れなき溺愛を知る
三人でお饅頭をいただいてお茶を飲み、一息ついたところで直彦が切り出す。
「さきほどはお見苦しいところをお見せして申し訳ありません」
「こちらこそすみません。不躾ながら借金のお話とお見受けしましたが」
「お恥ずかしい限りです。一年前の台風で社殿の屋根が大破して修理のために借りました。支払いが大変で借りかえたら、最近になって利子も含めて二千万、すぐに返せと言われて」
「そんなこと今までなにも言わなかったじゃない」
優維の非難に、直彦は肩を小さくすぼめる。
「心配かけたくなかったんだ。お前には迷惑をかけてばかりだから」
「迷惑なんてなにもないわ」
「神社を継ぐために夢をあきらめたんだろ?」
「違うわ、神社を継ぐのが私の夢なの」
「だけど稼げない神社だ。お前が会社員を続けているのはここでは食っていけないからだ」
「そうだけど」
経営難の神社は多い。年間の収入が数万円程度で、副業で会社員などをしてどちらが本職かわからない生活をしている神職もいる。
根古間神社は幸いにも父が副業をするほどではなかった。
だが、予想外の出費があると賄いきれない。神社の修理は宮大工にお願いするので依頼先は限られ、資材費もバカにならない。
「借金のカタに嫁によこせって、現代の法律じゃ無理でしょ」
「結納金を渡すから、それを返済に当てろということだったよ」
「そもそもなんで私? 会ったこともないのに」
「さきほどはお見苦しいところをお見せして申し訳ありません」
「こちらこそすみません。不躾ながら借金のお話とお見受けしましたが」
「お恥ずかしい限りです。一年前の台風で社殿の屋根が大破して修理のために借りました。支払いが大変で借りかえたら、最近になって利子も含めて二千万、すぐに返せと言われて」
「そんなこと今までなにも言わなかったじゃない」
優維の非難に、直彦は肩を小さくすぼめる。
「心配かけたくなかったんだ。お前には迷惑をかけてばかりだから」
「迷惑なんてなにもないわ」
「神社を継ぐために夢をあきらめたんだろ?」
「違うわ、神社を継ぐのが私の夢なの」
「だけど稼げない神社だ。お前が会社員を続けているのはここでは食っていけないからだ」
「そうだけど」
経営難の神社は多い。年間の収入が数万円程度で、副業で会社員などをしてどちらが本職かわからない生活をしている神職もいる。
根古間神社は幸いにも父が副業をするほどではなかった。
だが、予想外の出費があると賄いきれない。神社の修理は宮大工にお願いするので依頼先は限られ、資材費もバカにならない。
「借金のカタに嫁によこせって、現代の法律じゃ無理でしょ」
「結納金を渡すから、それを返済に当てろということだったよ」
「そもそもなんで私? 会ったこともないのに」